「屋根や外壁のメンテナンスって、実際どれくらい費用がかかるの?」
「見積もりを見ても、難しくてよく分からない…」
こうした悩みを抱えていませんか?屋根や外壁のメンテナンスは決して安い買い物ではなく、工事内容や使用する塗料・材料、施工面積などによって大きく費用が変動します。とはいえ、必要な時期に適切なメンテナンスを行わないと、雨漏りや外観の劣化を招き、住宅の資産価値も下がるリスクがあります。
本記事では、屋根・外壁メンテナンスの費用相場や内訳を詳しく解説し、費用を抑えるためのコツや業者選びのポイントをまとめています。相場観をつかむことで、見積もりの妥当性や工事内容をしっかり判断できるようになり、大切な住まいを守りながら賢く費用を管理する一助となれば幸いです。
この記事では、補修の種類ごとの大体の費用とコストダウン方法がわかります。
屋根メンテナンス費用の相場
屋根材ごとの費用相場
屋根のメンテナンス費用は、主に「塗装」「葺き替え」「部分補修」のどれを行うか、そして屋根材の種類によって左右されます。
屋根材 | 特徴 | メンテナンス費用目安(塗装) | 葺き替え費用目安 |
---|---|---|---|
粘土瓦 | 高耐久かつ高級感がある | 塗装不要(漆喰補修は別途) | 100万円~200万円以上 |
セメント瓦 | 比較的安価だが定期塗装が必要 | 30万~80万円程度 | 100万~150万円程度 |
スレート(化粧) | 軽量・施工しやすい、10~15年で塗装必須 | 30万~80万円程度 | 70万~150万円程度 |
金属屋根(ガルバなど) | 軽量・耐久性高いが断熱対策が必要 | 30万~70万円程度 | 80万~200万円程度 |
アスファルトシングル | 柔軟性がありコストも抑えやすい | 一般的に塗装せず、部分補修中心 | 70万~120万円程度(全面) |
- 塗装費用 は足場代含むかどうかで大きく変動します。目安として足場代は10万~20万円程度が相場です。
メンテナンス内容別の費用
- 部分補修
-
棟板金の交換、破損した瓦の差し替えなど
- 1~10万円程度が一般的
- 範囲や材質によって数十万円になることも
- 再塗装
-
劣化が進む前に行えば、塗装のみで済む
- 30万~80万円程度(延床面積や塗料グレード次第)
- 葺き替え
-
屋根下地まで劣化が激しい場合や、屋根材の寿命を超えている場合
- 70万~200万円以上かかるケースも(屋根材や家の大きさによる)
カバー工法による費用相場
既存の屋根を撤去せずに、新しい屋根材を重ね張りする「カバー工法」も人気です。
- 費用相場:50万~150万円程度が目安(家の大きさや屋根形状、使用する屋根材に左右される)。
- メリット:葺き替えより撤去費用が少なく、工期が短いこと。
- デメリット:重量が増すため、住宅の構造が耐えられるか確認が必要。
費用を左右するポイント
- 屋根の形状(勾配・複雑さ)
-
急勾配や複雑な形状は施工難度が上がり、費用も高くなる
- 足場の設置回数
-
外壁と同時施工なら足場を共有できてコストダウン
- 下地の状態
-
野地板や防水シートが傷んでいる場合、追加費用が発生
- 材料グレード
-
高耐久の塗料や軽量・断熱性の高い屋根材ほど費用は上がる
外壁メンテナンス費用の相場
外壁材別の費用目安
外壁のメンテナンスも「塗装」「部分補修」「張り替え」のいずれかとなり、外壁材によって大きな差があります。
外壁材 | 特徴 | 塗装費用相場 | 張り替え費用相場 |
---|---|---|---|
窯業系サイディング | デザイン豊富、コストパフォーマンス良 | 80万~150万円程度 | 100万~200万円以上 |
金属サイディング | 軽量・高耐久、塗装・錆対策が必要 | 80万~130万円程度 | 100万~200万円程度 |
モルタル外壁 | 自由度が高いがひび割れしやすい | 80万~150万円程度 | 150万~250万円(全面改修) |
タイル外壁 | 高級感があり汚れに強い | 目地・シーリング補修中心 | 150万~300万円以上(全面貼り替え) |
ALCパネル | 軽量・耐火性・断熱性に優れる | 80万~130万円程度 | 部分補修~張り替え幅広い |
- 塗装費用 は延床面積や塗料のグレード(アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機など)によって変動。
シーリング補修の費用
サイディングなどでは、目地のシーリングが劣化して雨漏りの原因になることも。
- 打ち替え(古いシーリング除去後に新たに充填):30万~50万円程度が目安
- 増し打ち(既存シーリングを残したまま上から充填):割安だが耐久性は劣る
塗り替え vs 張り替え
- 塗り替え:表面の塗膜劣化が中心なら再塗装で十分
- 張り替え:外壁材自体が著しく劣化(反り、亀裂、剥がれ)した場合に検討
- 費用差:塗装のほうが圧倒的に安いが、根本的に外壁が傷んでいる場合は張り替えが妥当な場合もある
具体的な費用内訳とよくある追加費用
内訳例
- 材料費:塗料や屋根材、外壁材、シーリング材など
- 人件費:職人の施工費用
- 足場代:10万~20万円程度(家の規模による)
- 廃材処分費:古い屋根材や外壁材の撤去処分
- 諸経費:交通費や管理費など
よくある追加費用
- 下地補修費:屋根の野地板や外壁下地が腐食している場合
- 付帯部塗装費:軒天や破風板、雨樋なども同時に塗装
- サッシ廻りの補修:経年劣化で隙間ができている場合
- 色変更や高級塗料:デザイン性や高耐久塗料を選ぶと上乗せされる
費用を抑えるためのポイント
- 同時施工で足場を共有:屋根と外壁を同時に行えば足場代を一度で済ませられる
- 複数社見積もりの比較:費用相場を把握し、高すぎ・安すぎの業者を避ける
- 公共助成金の活用:耐震リフォームや省エネ塗装などで補助金が出ることがあるため、自治体へ確認
- 再塗装のタイミングを逃さない:適切な時期に塗り替えを行うことで、大規模リフォームを回避
- 高所作業や専門工事はプロに:DIYでは対応しきれない箇所を無理に手を出さず、余計なやり直しを防ぐ
業者選びのチェックリスト
- 実績と口コミ
- ホームページの施工事例や利用者の評判を確認
- 見積もりの内訳が明確
- 材料費、人件費、足場代、廃材処分費などが分かりやすく記載されているか
- 保証内容
- 施工後の不具合に対してどの程度対応してもらえるか(塗膜保証、雨漏り保証など)
- コミュニケーション力
- 現地調査時の説明、こちらの疑問や要望への対応が丁寧かどうか
- 安全管理
- 高所作業や施工環境の安全対策がしっかりしているか
事例:屋根・外壁メンテナンスの費用例
築20年・スレート屋根+窯業系サイディング
- 屋根塗装:40万円(足場代込)
- 外壁塗装:80万円(同じ足場を使用)
- シーリング打ち替え:15万円
- 合計:約135万円
築25年・セメント瓦屋根+モルタル外壁(部分改修)
- 屋根:葺き替え(セメント瓦→スレート):120万円
- 外壁:ひび割れ補修・再塗装:90万円
- 合計:約210万円
まとめ
屋根や外壁のメンテナンスは、大きな費用がかかる工事ですが、放置すると雨漏りや建物内部の劣化が進むばかりか、資産価値の低下につながりかねません。
そこで、
- 屋根材・外壁材ごとの特徴と耐久年数を把握し、
- 定期的な点検で傷みを早めに発見し、
- 適切な時期に塗装や補修、葺き替えを行う
ことが非常に重要です。
また、費用を抑えるコツとしては、屋根と外壁の同時施工や複数見積もりの比較が有効。
DIYで可能な範囲をカバーし、高所作業や専門性が求められる工事はプロに任せるのが賢明です。
適正なメンテナンス費用を理解し、資金計画を立てておくことで、大切な住まいの耐久性と美観、そして資産価値を長期間にわたって守ることができます。ぜひ本記事を参考に、あなたの住まいに最適な外装メンテナンス計画を立ててみてください。
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